5/21②国際比較チーム発表

こんにちは。更新が遅くなってしまい恐縮ですが先週(5/21)のゼミの報告をしたいと思います。

 

21日は先週に続きチームごとの発表で、国際比較チームの発表でした。

内容は①「LRTまちづくり」②「アメリカと車社会」③「まちづくりの国際比較」④「北京と東京の地下鉄比較」についてでした。

 

以下簡単なまとめと考察を書きます。

①「LRTまちづくり

LRTとは「路面電車を基礎としつつ、従来までの機能・役割に加え、都市の再活性化や環境負荷の軽減も目的とする。」というものです。

例としてはフランスのパリ、スペインのマドリッドなどがあります。規模としては20万人〜100万人規模の都市に作られることが多いようです。

 

なぜバスではダメなのか?と私は疑問に持ちました。

その返答としては

  • 町を歩行者中心の町にする
  • 車などを移動手段にすると、町のつながりが希薄になってしまう。
  • 高齢化時代にあっているのではないか

といった意見がでました。

これらの意見は一貫してコンパクトシティの構想とリンクしているなと感じ、面白いと思いました。

 余談ですが、広島に旅行に行ったときに路面電車に乗ったのですが、バスとは違うよさ、広井先生が言うような弱いつながり、街全体の一体感といったようなものを感じたことが印象に残っています。

②「アメリカと車社会」

日本のインフラ整備はアメリカを模倣したはずなのに、なぜ鉄道がはったつしたのか?逆に言うと、なぜアメリカは車社会なのか?

といった疑問を発表者は強く持っていたようでした。

結論から言うと、国土の大きさ、人口密度の違いからくる地理的要因、GMなどの存在による政治的要因もあるようでした。

アメリカの交通機関の利用量が鉄道が0.7%、高速道路が88.7%、飛行機が12.1%という数字に驚きました。

 

まちづくりの国際比較」

ドイツと日本のまちづくりの違いを、歴史的背景などから説明してくれました。

日本の城壁と西洋の城壁の意味のちがいや、日本と西洋の社会に対する認識の違いなど様々な視点から日本とドイツの違いをしめしてくれました。

 

④「北京と東京の地下鉄比較」

北京と東京の地下鉄との違いを歴史的背景、経済的背景から説明し、その

上で課題点、問題点を提起してくれました。

先進国と先進国との比較ではなく、発展途上にある国との比較という視点が非常に有意義なものに感じました。

 

〜考察〜

ドイツの日本の城壁の役割の違い、そのなかでも、「社会」と「世間」というキーワードが印象に残りました。ドイツでは共同体を守るために都市の外縁に「城壁」を設置しました。その内側に、ある意味閉じた社会が形成されてきました。

一方日本では、城壁は共同体を守るためのものではなく、城を守るものでした。つまり、日本ではどこまでが共同体の境界であるかという明確な基準がなかったのです。

阿部謹也さんの言葉に“日本の「個人」は「世間」の中に生きる個人であって、西洋的な「個人」など日本には存在しないのです。独立した「個人」が構成する「社会」なんてものは日本にはないんです”という言葉がありますが、平たく言うと、日本には社会はなく、ただ世間があるだけだ。こういうことになります。とてもハッとさせられる言葉だと思います

社会というものをどの範囲で捉えるかということを考えるのは、その先にある社会のあり方や、個人のあり方を考える上でもとても重要なことだと感じました。

(記:菊池)